相続に関する基礎知識や事例
肉親や配偶者が亡くなった場合に被相続人の財産(遺産)を譲り受ける(承継する)ことを相続するといいます。
相続には民法などの法律で決められた流れや手続きが定められています。今回は相続の手続きと流れについて見ていきましょう。
⑴いつ相続が始まるのか
現在我が国の民法の下では相続は被相続人の死亡によってのみ始まります(民法882条)。被相続人の死亡によって相続人が発生します。
⑵誰が遺産をもらえるのか
誰が相続人になることができるか、については民法で定められており、被相続人とどういう関係にあるのかによって順位が決まります。順位が低いほど法定相続分も少なくなります。この順位は後で図にして示しますが、民法で定められた相続人の順位は①被相続人の子(直系卑属)、②父母(直系尊属)③兄弟姉妹になります(民法900条など)。なお、配偶者は常に相続人になります。①において、たとえ養子であったとしても実の子と相続の順位は変わらず、実の子と同じ相続分となっています。また、例えばある人が死んで相続が起こるときに、その子供が先に死んでいる場合は、孫がいればその孫が相続人の地位を得ます(代襲相続)。
⑶どう遺産が分割されるのか
民法で定められた相続順位、法定相続分に従うと、次のようにまとめることができます。
①子:配偶者=1:1
②父母もしくは祖父母(直系尊属):配偶者=1:2
③兄弟姉妹もしくは甥姪:配偶者=1:3
⑷手続き
下記のような手続きが必要となります。
・相続人の特定
・相続財産の調査
・遺言書の有無の調査
・銀行などの金融機関に連絡
・健康保険、遺族年金、生命保険の手続き
・限定承認、相続放棄をするかどうかの決定
・遺産分割協議の開始
・遺産分割協議の内容の実現(名義変更など)
・必要であれば確定申告なども
以上が大まかな相続の流れになります。
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